調律運動(リズミカルな運動)において,間欠的な視覚フィードバックを行うことで学習を促進することが出来る

Intermittent Visual Feedback Can Boost Motor Learning of Rhythmic Movements: Evidence for Error Feedback Beyond Cycles
https://www.jneurosci.org/content/32/2/653

この研究では,離散的な運動とリズミカルな運動で,運動誤差に基づいた運動学習を行う難しさが異なるのは(先行研究で示された結果),運動誤差と運動指令の間の脳内での関連付けが難しいことが原因ではないかという仮説を検証。
その結果,リズミカルな運動でも間欠的な視覚フィードバックをして運動指令と運動誤差の対応関係をわかりやすくしてやることで運動学習を促進できた。

この研究ではまず実験1で何回前までの試行が学習に聞いているかをモデルフィッティングで決定し,それは5回前までであった。そして,その影響が直前以外はマイナスの影響をもたらすことを示していた。つまり,2~5回前までの試行の情報は,学習に悪影響を及ぼしていることを示唆している。ということは,2~5回前の視覚情報を無くす間欠的な視覚フィードバックにすることで学習を促進出来る可能性があるということである。

実験2,3ではこの予測を実験的に確かめる。
その結果4回に1回,もしくは5回に1回視覚的フィードバックを得る条件で,有意に運動学習の促進が確認できた。

運動誤差に基づく学習の場合,運動誤差の情報は多い方が良いという単純なイメージとは異なる結果ですごく面白い。
ただ,なぜ数回前の試行が運動学習に悪影響を与えうるのかという理由はわからないようだ。誤差の信号を取り扱う時間スケールの問題だろうか?

この話を実際のアスリートの運動学習に照らし合わせると何が言えるだろうか・・・,Inter trial intervalが結構短くないとこの現象は起きないみたいだし,素振りのInter trial intervalとかもっと長いからな~。全然思い浮かばない(笑)