発想の転換
自信がなくなって落ち込むとき
大事な試験に落ちたとき、大事な試合に負けたとき、なんだか色々うまくいかないとき(笑)
よく言われるのは、「見えるところだけ見ているからだよ。あの人だって裏では様々な努力してたり苦悩を抱えているんだよ。目に見えるものばかりで比較してはいけない」ということ。これは真実だとは思うんですけど、見えないものを考えろ、みんな平等なんだと言われても、ネガティヴなときには受け入れられません(笑)
部活に入るかサークルに入るか
京都大学 平成28年度学部・大学院入学式 式辞 (2016年4月7日)
平成28年度学部入学式 式辞 (2016年4月7日) — 京都大学
総長,本当に好いこと言う.
小学校からいつもいつも校長先生たちがいろんな話をしてくれてたけど,真面目に聞いてなかったのが本当にもったいなかったなと思います.
自分が入学したときに何を言われたかとか全然覚えてないけど,ここ2年の話はとりあえず記録に留めてあります(笑)
特にWINDOW構想の
「OはOriginal and Optimistic。これまでの常識を塗り替えるような発想は、実は多くの人の考えや体験を吸収した上に生まれます。そのためにはまず、素晴らしいと感動した人の行為や言葉をよく理解し、仲間とそれを共有し話し合いながら、思考を深めていく過程が必要です。また、失敗や批判に対してもっと楽観的になり、それを糧にして異色な考えを取り入れて成功に導くような能力を涵養しなければなりません。」
の部分が好きです.
平成28年度大学院入学式 式辞 (2016年4月7日) — 京都大学
「ここで重要なことは、データに語らせることです。そして、それを分析して得た自分の考えを仲間に語り、その真価を繰り返し確かめることです。しかし、データに語らせることは決してたやすいことではありません。そもそも、データの取り方が間違っていれば、採取したデータは自分が立てた問いに正しく答えてはくれません。まず、自分が一体何を知りたいのかを十分に吟味し、問いを立てることが必要ですし、その問いに合った方法論を選ぶことが重要となります。」
本当にこれは大事.
でもこれほど「言うは易し行うは難し」なことってないんじゃないかと思うくらい難しいです.面白いです.
総長のゴリラ研究の体験談とか本当に感動します.
頑張ります.
卓越研究員事業について
【卓越研究員事業について】
国がお金を出すので,企業や大学が卓越研究員を雇えるポスト(基本的に無期限雇用か,テニュア)を用意.
申請者は,今後10年間で取り組みたい研究について研究計画を立てて,申請書を書く.そして,公募されているポストの中からいくつかを選ぶ.
雇う側と雇われる側の希望が一致した場合に,雇用関係が結ばれる.
基本的には若手研究者の不安定な雇用対策なので,じっくり腰を据えた研究が出来るようになりそう・・・
平成28年度の4月~5月に基本的に博士学位取得者が応募できて,150名程度が採用予定のようです.
公募されているポストを見てみたら,企業系はやはりビッグデータとか機械学習とか出来る人材を欲しているみたい.
今年の動向を見たうえで来年には視野に入れて考えないとな.
なんにしても選択肢が増えるのは良いこと.
卓越研究員事業(Leading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER) ):文部科学省
囲碁の次は??
イセドル対アルファ碁のNatureのまとめ記事です.
この記事ではすでにDeep Mind社が,囲碁の次は何をするかということに焦点を当てています.
完全情報ゲームで最も複雑な囲碁がAIによって解かれてしまった今,この記事で次に来るものとして3点あげています.
①不完全情報ゲーム(例:複数人でのポーカー)
相手の手札が何かわからないので不完全情報ゲームという.
不完全情報ゲームでもちょっと前にScienceでポーカーの必勝法がわかったという論文も出ましたが,まだ複数人でのポーカーなどのような複雑な不完全情報ゲームになると困難なようです(ここらへんはよくわからん)
今後はスタークラフトというSF strategy game??というゲームに取り組むようです.
②General AI
今は,囲碁なら囲碁のAI,将棋なら将棋のAIとExpert AIしかありません.
Alpha碁は将棋を打つことが出来ませんから(笑)
なので,AIはヒトからはまだまだ遠い存在であると言わざるをえません.
Expertをたくさん集めて切り替えるという方法以外に,今後は人間のような色々出来るAIが次の目標のようです.
③臨床応用
最後は,ゲームから離れ現実世界の問題についてです.
例えば,診断やtreatment planの作成などをAIでやるというものです.
これには今回のAlpha碁で行われたような自分自身と何百万局も対決してデータを死ぬほど集めるということが出来ないという課題があります.
また,診断やtreatment planを良い,悪いと決めることがとても困難であるという問題もあります.
また,Deep Mind社のDemis HassabisさんはスマートフォンにDeep Mindのアルゴリズムを組み込み,個人のリクエストに深くこたえられるような装置を作っていこうとしているようです.これは実現するとすごく面白そうですね!Googleらしいし(笑)
Deep Mind社以外のAIとしては,Geometric Intelligenceという会社が作るAIも面白そうです.この会社はGary Marcusという神経科学者が始めた会社のようで,ヒトの子供の学び方を参考に,より少ないデータサンプルから学習できるAIを作成しているようです.これもすごく面白そう!やっぱりスパース性が大事なのかな?ちょっと調べてみよう.
最後に,Alpha碁はイセドルよりもものすごく多くの対局を行い学習しています.
それでもイセドルは第4戦で1勝することが出来ました.
この1勝は,イセドルが3連敗した碁を寝る時間も惜しんで「復碁」(あの一手がどうだったというように復習すること)し,たった3局からAlpha碁のことについて学習した成果だと思います.
このように現在のAIはとても多くのサンプルを使用しないと学習できませんが,人間はたったの3敗から多くのことを学べます.
さらに言えば,ヒトはたった1つの敗戦からでもとても多くのことを学ぶことが出来ると思っています.
この能力を実現しているのは「意識」であるとかいう話もあるようです・・・
こんな感じでAIからヒトの神経メカニズムについて考えることが出来るのも面白いなと思いました.
Brain doping
Natureにこんな記事が・・・
tDCSを使って,パフォーマンスを向上させる研究についての話です.
ここではスキージャンパーにtDCS(脳に電気を流す装置)をmotor cortexに打つと,ジャンプ力が70%,筋肉の協調性?が80%向上する研究を紹介しています.
また,tDCSをmotor cortexまたはtemporal cortexに打つことで知覚疲労が軽減し,一般人においてペダル漕ぎをShamでtDCSを打った被験者に比べて2分長く漕げるようになるようです.
このようなtDCSを使った能力向上は,薬のドーピングと違って使用しているかどうかがわからないので,"Brain doping"としてオリンピックでは気を付けて対策をしたほうが良さそうだとのことです.
ただ,やはりtDCSの効果は再現性に乏しく,効く人もいれば効かない人もいるし,効く日があれば効かない日もあるし,効果が逆に出ることなどもあるようで,まだまだ科学的に何が起こっているのかがわからないところがあるというのが現状の様です.