イセドルがアルファ碁に勝つ(第4戦)

世紀の勝負の第4戦.

イセドルが中押し勝ちしました!!!

研究室で少し涙が出そうになりました・・・

 

3連敗して,これは遥かな高みから人間を見下ろしているのでは・・・と思い始めましたが,人類の意地を見せてくれました.

対局後も夜通し「復碁」を行い(対局を振り返り復習すること),最善の一手を追求したようです.

3連勝したからアルファ碁の性能を下げたのか?と少し懐疑的に見てしまいましたが,一応会見でアルファ碁の作成者が否定していました.

今回の対戦ではdistributed版(パソコンをいっぱい並列にくっつけて演算処理する)のアルファ碁を使用しているようです.

stand alone版(一個のパソコンで演算処理する)もあるのですが,今回は使用しないようです.もちろんdistributed版のほうが強いからです.

 

また,会見でイセドルはアルファ碁の弱点を発見したとして,

①黒を持つ時のほうが弱い.

②妙手に対しての対応がよくないときがありバグみたいに感じた.

の2点を挙げていた.

この2点目に関して,今回のアルファ碁はエキスパートシステムのような専門的な知識(例えば,将棋では飛車角の価値が高いとかいう知識)を入れておらず,今回のDeep neural networkが様々なことに応用が可能だということが重要なのですが,記者の方から今日の対戦のようなバグが発生するというのは医療などに応用した場合に問題ではないか?という質問がありました.

これに対して,作成者は「アルファ碁はプロトタイプであり(アルファというのはβタイプとかを意識してなのか??と少し思った),バグがあるのはしょうがない.今回の対戦はそのようなアルファ碁の弱点を探すためのものである.さらに,今回は囲碁に特化した仕様である.医療応用の場合は,それ相応の対応をするので問題ない.」と回答していた.

 

今後はDNNが世界の様々な応用面に登場することは間違いなさそうである.

ただ,マシンパワーがめちゃくちゃ必要な問題を解決しないとなー・・・

 

さて,今日は第5戦!!

今日の対戦はアルファ碁が白を持った時のほうが強いということで,イセドルの希望でイセドルが黒,アルファ碁が白の対戦です!

黒白両方で勝てれば,これはもうイセドルの勝ちだと言っても過言ではありません.

そう考えると本当に人間は対応力がすごいのだなと思います.

今後の機械に必要なことは,1戦の負けから多くを学ぶということかもしれません.

機械は何千何百という失敗を重ねて初めて学ぶことが出来ますが,人間はたった1戦の負けから本当に多くのことを学ぶことが出来るような気がします.

世界トップ棋士イセドルがアルファ碁に負ける

世界トップの棋士であるイセドルがアルファ碁に負けた・・・

イセドルはヒカルの碁の高永夏(コヨンハ)のモデル.
日本最強で現在七冠達成に向けて十段戦を戦っている(初戦は完勝)井山九段はヒカルのモデル.
そして,アルファ碁は例えるなら楊海(ヤンハイ)さん.
というのも楊海さんはヒカルの碁の中で,神の一手はパソコンの中で生まれるという名言を残しています.

このイセドルは,つい最近井山に勝っている.
つまり!!ここ最近の戦績だけで評価すると(評価しちゃダメ)
アルファ碁>イセドル>井山となり,
楊海さん(中国)>高永夏(韓国)>ヒカル(日本)となります・・・

ヒカルの碁ファンとしてはなかなかショッキングな一日でした(笑)

自分でモチベーションを上げるためのNeurofeedback training

Cognitive Neurostimulation: Learning to Volitionally Sustain Ventral Tegmental Area Activation

Jeff J. MacInnes7
,
Kathryn C. Dickerson7
,
Nan-kuei Chen
,
R. Alison Adcockcorrespondence

http://www.cell.com/neuron/abstract/S0896-6273(16)00095-7

 

今週のNeuronに自分自信でモチベーションを上げるNeurofeedback trainingの研究が掲載されました.

Ventral Tegmental Area(VTA:腹側被蓋野)というドーパミンニューロンが存在し,ドーパミンを脳内に放出する脳領域の活動を上げるNeurofeedbackトレーニングのようです.

科学的妥当性を評価するためのコントロール群は,random feedback group, no feedback group, alternate neurofeedback group (nucleus accumbensの活動をフィードバック)の3グループを行っています.それぞれ20名弱なので100名弱の被験者に対して実験を行っています(@_@;)

一度VTAの活動をコントロールできるようになれば,フィードバックなしでもVTAを自分で活動させることが出来るようになるようです.

ドーパミン放出そのものを見ているわけではないので本当に自分からドーパミンを出せるようになっているかは不明なようですが,ドーパミンを出せている可能性は高そうです.

6時間後に君は死ぬ

最近、高野和明にはまっています。

13階段、ジェノサイド上下、6時間後に君は死ぬ

を読みました。

13階段では死刑制度や、人の罪について深く考えさせられました。
ジェノサイドでは道徳や倫理について深く考えさせられると同時に、科学についても考えさせられました。

6時間後に君は死ぬでは、もし過去を変えられるなら?もし未来がわかっていてそれを変えられるなら?自分は一体どうするだろうか?ということを考えました。
今まで全ての失敗があったからこそ、今の自分がいるわけで、過去を変えるというのは今の自分を否定することにつながるのではないでしょうか。
またもし自分の未来が変えられたとしても、それで自分が幸せになる代わりにどこかで不幸になる人が出てくるのではないか?
世の中勝負事が多いので、そんな甘っちょろいことを言ってたら生きていくのは難しいかもしれませんけど。

小説ばかりではなく、今は科学史に関する本を読んでいます。
古代から科学がどのように発展してきたのか、科学の歴史です。
少し前は、日本史を勉強していたのですが近親同士での殺し合いや、名声のための戦いばかりで疲れたので、科学の歴史を学ぼうと思います(笑)

研究の再現性について

Biomedicine関係の実験の再現性のためのonline ジャーナルが作られたようです.

データもオープンで公開するようなので,再現できなかったと言われた研究のオリジナルオーサーがデータを確認することも出来るようです.

Calling all failed replication experiments | Science

 

心理学系でも"Estimating the reproducibility of psychological science"などで,再現性が問題となっている昨今でこのような進展は科学にとって良い方向性だと思います.

 

囲碁のチャンピオンがコンピューターに負ける時が来た!!

http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7587/full/nature16961.html?WT.ec_id=NATURE-20160128&spMailingID=50563385&spUserID=MTcwMTY3NjUyOTYwS0&spJobID=843636789&spReportId=ODQzNjM2Nzg5S0

 

"AlphaGo"

 

これが囲碁のチャンピオンを破ったプログラムの名前です.

 

ついにコンピューターが囲碁チャンピオン(ヨーロッパのチャンピオン)に勝てるようになったようです.

またしても,GoogleのDeepMind社(去年,DQNで話題になった)がNatureに論文を載せました.

今回すごいのは,今までのような力技ではなく,人間のような大局観を身に着けたことで探索の深さ(何手先まで読むか)が今までよりもとても浅くなったことのようです.

Deep neuralnetwork+tree searchらしいですね.DNTか?(笑)

 

今年の3月にはLee Sedol(世界ランク3位)との試合が決まっているようで,これでもしAlphaGoが勝ったら本当にとんでもないことです.

ちなみに日本最強の碁打ち,井山裕太6冠(つい先日離婚でニュースになりました)は世界ランク5位です.

ヒカルの碁の作者曰く,井山裕太はヒカルの成長後の姿らしいです.

ですので,もしヒカルの碁が続いていたら,今頃ヒカルも6冠棋士になっているのでしょう(笑)

 

しかもしかも,今季の10段戦(7冠あるうちの最後の1冠)への挑戦権をすでに得ているようで,現在行われている棋聖戦で防衛を果たし,10段戦も勝利すれば奇跡の7冠達成です!

錦織と言い,井山と言い凄過ぎるのですが,同じ1989年生まれとして僕も頑張らないといけません.

道徳と法律

gendai.ismedia.jp

もやもやもやもやもや

色々なところにもやもやがありすぎて,自分の考えが全くまとまりません・・・頑張って整理してみるか!ってことで長文になります(笑)

まぁなんやかんや組体操の話があるけど無視して(笑),論理の流れをシンプルにすると,こんな感じかなー??

①学校内道徳が法の支配を排除してしまっているのが問題(骨折するほどの授業中事故という法律違反は無視して道徳を学ぼうとしているのがおかしい)
②道徳は普遍ではなく,法律は普遍である.学校が義務付けて良よい教育内容は普遍的でないといけないので,道徳>法律となっているのは問題だ
③「道徳」の授業には一部の人や集団にしか通用しない規範を、漠然とした圧力で押し付けてしまう危険があるため,学校内道徳が法の支配を排除してしまう可能性は高い.
③だから,学校では道徳の授業ではなく法学に時間を割くべき

うん,だいぶすっきりした!
この論理構造なら,確かにだいぶ納得できる.
確かに,骨折するほどの授業中事故という法律違反を無視して道徳を学ぼうとしているのはおかしいですね.
改めましょう.
そんで,道徳授業の危険性と,普遍的な法律を学ぶ重要性は理解した.

さて,相手の主張を理解したうえで,どこにもやもやしたかって,

法律以外の規範は「普遍性を持たない」
だから,道徳は普遍ではなく,法律は普遍である
道徳は普遍性を持たないから,法律よりも重要ではない(学校では道徳の授業ではなく法学に時間を割くべき)

という点.
道徳の授業も法学に負けず劣らず重要でしょうよ!!
法学に取って変えるんじゃなくて,道徳の授業の危険性を理解したうえで道徳も学びましょうよ!
法律では表せられない普遍的な道徳っていうのもあるでしょう??

この組体操の道徳教材で本当に学ぶ必要があることは,http://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/31631.pdf
の「ねらい」にも書いてある通り,

「謙虚な心を持ち,広い心で自分と異なる意見や立場を大切にしようとする心を育てる。」という道徳であって,この人が途中で言っているような「クラスの団結力を高める,困難を努力で乗り越える」という学校内道徳ではない.

「謙虚な心を持ち,広い心で自分と異なる意見や立場を大切にしようとする心を育てる。」という道徳観って法律に負けず劣らず普遍的で,法律では表せられない大切なことなんじゃないですか?(完全に主観的でごめんなさい)

新渡戸稲造の「BUSHIDO」でも,日本では宗教がないのにどうやって道徳を学ぶのですか!?ていう外人や妻からの質問に対して,新渡戸さんが日本人の道徳について深く考えるようになったように,日本では特定の宗教が無いから道徳の教育ってすごく難しいのかもしれない.

うわーー,論文読もうと思ってたのに,気づいたら2時間以上も道徳のことについてもんもんと考えてしまっていた\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?