醜いアヒルの子定理
これ少し面白かった.
「醜いアヒルの子と普通のアヒルの子の類似性は,任意の二匹の普通のアヒルの子の間の類似性と同じになるという定理」らしいです
例えば,10円硬貨と100円硬貨の違いと100円硬貨同士の違いに違いはない.ということです.
これは直観に反するように感じられます.
なぜなら,私たちは100円硬貨同士のほうが類似性が高いと感じるからです.
しかしこれは,硬貨の価値(10円か100円)に優先度を置いているから差が出てくるわけです.
傷の場所や重さなど色々と違う点はあるけれど,硬貨の価値というのを無意識的にそこに重点を置いているということですね.
機械学習でいう重みがこれにあたるかと思います.
どのような判別の時に,どのような特徴量にどのくらいの重みがつくのかという点は新しい視点かなーという気もします.
自分があまりそういう考え方をしてなかっただけですけど(笑)
忙しくて時間がない!!という人へ
研究もしなくちゃいけない,論文も書かないといけない,grant proposalも書かないといけない,ミーティングもしなくちゃいけない,あれもしないとこれもしない...
でも研究以外のパーソナルな時間も大切にしたい!
そんな皆さんのために"The balanced researcher"を紹介します.
(同じ研究室の先生に教えていただきました)
この資料を読めば以下に関する知識が得られるようです.
①仕事をより効率的にする戦略
②人生の仕事と他の部分のバランスを取る戦略
③仕事や人生に大きなインパクトを与える特定な行動
資料は以下から手に入ります.
http://www.bris.ac.uk/researchstaff/yourcareer/vitae-booklets/balanced-researcher.pdf
まず,最初のたとえ話が面白い(笑)
8.00am:書き終わらないといけない論文があるため早めに出社.e-mailのチェックをちょっとやってから論文を書こう.学生が参考文献が見つからないとかいうので,自分でやれよと思いながらも探してあげる.そして他のe-mailもチェック.
9.15am:もう少しでe-mailのチェックが終わる!昨日ラボのガラス製品が洗われていませんでした→僕じゃない(返信).面白い論文があったよ!→ありがとう!見てみるよ!(返信).関連する論文を探る.
10.00am:もうこんな時間なの!?コーヒーを飲む時間だ.コーヒールームにいって同僚と会話をする.
10.30am:うわ,ミーティングまであと30分しかないじゃないか,仕方ない,30分じゃ論文を直せないし,午後のセミナーの資料でもブラッシュアップするか.そしてミーティングが12.30pmに終わる.
1.30pm:やばい,すごく眠たい・・・この時間は頭を使わない簡単な作業をこなしておこう・・・.2.30pm同僚がドアをノックして入ってくる.「この測定器のキャリブレーションの手伝いをしていただきたいのですが?」.よく知っている測定器だから教えてあげて,ついでの統計解析に関しても教えたりした.
4.30pm:もうこんな時間か・・・パソコンをシャットダウンし,カバンをつかみ帰宅.ボスが今日の一日はどうだった?と尋ねてきた.「いや,今日も忙しくてたくさんのことをこなしましたよ.」と答えたが,肝心の論文に関してはほとんど進捗が無かった・・・
あるあるな日常すぎて笑えないです・・・
仕事のバランスを取るための10個の戦略
① Make a plan
② Pick the right things
正しくやることよりも正しいことをやる(例,私たちはすでに500kmも進んでいます!ただし反対方向にね)
③ Make time for research
午前中に必ず研究もしくは論文を書く時間を毎日入れておく!!
④ Learn how to say NO
これは特に日本人には必要かと(笑)
NOと言うのではなく,簡単にYESと言わないようにする.
「大変興味深いね!あとで連絡するよ!」,「ちょっと予定を確認しないといけないので,あとで連絡するよ!」
⑤ Delegate
⑥ Set realistic standards
⑦ Write regularly (and then submit it!)
一気に書こうとせずに,毎日でいいから少しずつ(30分でも良い)書く.
例えば,1週間に3日,2時間の書く時間を必ず取るとか
⑧ Don't check your email first thing in the morning
メールをチェックする前に,予定を立てる!
⑨ Use the 3 Ds of paperwork (and email)
Do it(すぐできるならやってしまってそれを予定から取り除く)
Dialize it(数分くらいかかることなら日記につけて,いつ行うのが良いかを確認する.)
Ditch it(やりなくない場合は捨てる)
⑩ Deal with distractions
プライベートでのバランスを取るための10個の戦略
① Establish boundaries between work and non-work
onとoffをきっちりと分ける!残った仕事を家でやるというのは比較的簡単に出来てしまうから気を付ける.家では絶対仕事をしないとか,家で仕事をするなら特定の時間だけにするとか.
② Get a routine
③ Ask your significant others before taking on major commitments
④ Be present
⑤ Book breaks and holidays
時間が取れれば休もうと言っていても,時間は来ない.休暇の時間は自ら作らないといけない.
週末に予定が無いと,週末にやればいいやーとぐずぐず先延ばしにしてしまうが,週末に予定を入れてしまえば,平日に終わらせないといけなくなって集中できる.
⑥ Delegate, outsource, get help
⑦ Exercise, diet and health
⑧ Me time
⑨ Review your priorities
⑩ Have fun!
最後は楽しめってこと!この論文がアクセプトされたら!とか,この博士論文を書き終えたら!とか想像して(笑)
上記のことはみんな常識として大体わかっているけれど,どうして実行できないのか?
ひとつの理由は,今までの生活の中で習慣となってしまっているから
もう一つの理由は,少し客観的な視点を失ってしまうことがあるから
実行するためには,
①必ず実現できそうなこと(例えば,お昼ご飯は週3回外食にするとか)から初めて,少しずつ変化させていく.
②変化を明言する
③今すぐ実行できることを選択する
④自分自身に報酬を与える
変化の例
①朝にe-mailチェックするのをやめる
②朝に2時間必ず論文を書く時間を取る
③スケジュールのために日記をつける
④お昼ご飯は外食にする
⑤お昼ご飯を食べる
⑥週末は遊ぶ(仕事は持ち歩かない)
以上参考にしてみてください.
僕はとりあえず週末研究室でぐだぐだ勉強してしまうので,勉強の日とテニスをする日などをきっちりとわけて行おうと思いました.
一般的な集中力は脳全体の機能的な結合で決まっている
この前,脳の機能的な結合の状態で個人を特定できるという論文を紹介しましたが,
そのグループが今度は一般的な集中力の持続能力は脳全体の機能的な結合で決まっているという論文を出しました.
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrelnt/full/nn.4179.htm
この論文ではgradCPTというタスクを使って,個人の集中力の持続能力を計測し,個人の脳全体の機能的な結合との関係が強いものを使って個人の集中力の持続能力を予測するということを行っています.
さらに,この研究では汎化性能を調べるために,課題とは独立なデータを使ったり,本当に独立なADHD患者のデータを使っています.
さらに,特定の脳内ネットワークに含まれる結合を取り除いても同じような結果が得られたことから,特定の脳内ネットワークが重要なのではなく,脳全体の結合が重要であるとしています.
このような結果から著者たちは,集中力には前頭葉が関わるという仮説ドリブンな先行研究では出ない結果であることを強調しているようです.
自分の研究でも集中力の持続能力と脳の機能的結合を対象としていることから,テーマもろかぶりということですごく注目しました.
内容的にも複雑な解析はほとんどなく,言いたいことも解析もすごくシンプルだという,素晴らしい研究だと感じました.
最近は複雑な機械学習法などを使って,結局何を言いたいのかわからにという研究も多くなってきていますが,
「素人のように考え,玄人として実行する」
ということがとても重要だと感じました.
錦織圭の2016年度の試合予定
ATPツアーファイナル2015
×錦織圭 (1-6, 1-6) Novak Djokovic○
○錦織圭 (7-5, 3-6, 6-3) Tomas Berdych×
×錦織圭 (5-7, 6-4, 4-6) Roger Federer○
今年の錦織のツアーが終了しました.
今年はあとはCoca-Cola IPTLや有明でのイベントとかやね.
それにしてもフェデラー対錦織は熱かった.
お互いに流れが行ったり来たり,フェデラーのサーブが少し不調なところをリターンエースがっつりとったり,見どころいっぱいのめちゃくちゃ面白い試合やった.
それにしても久しぶりに錦織が楽しそうにテニスしていたのが印象的でした.
今年はここまでずっと今のポジションを守らないといけないプレッシャーで,実力自体は上がってきていたものの,爆発的なテニスは影をひそめていました.
それをまずはジョコビッチに粉砕され,ベルディッチに競り勝ち,フェデラー相手に今までの挑戦的なテニスが復活するという,今年のツアーファイナルで錦織が得たものは必ず今後に活きてきそうな気がします.来年の活躍がとても楽しみになりました.
錦織の2016年度の予定が出ていました.
イギリスでのデ杯をぜひとも見に行きたい!!
マレー対錦織を見たい!!
ちょっとがちで行く予定を立ててみようかと思います.
(出典:錦織の今季成績と今後の予定一覧 – スポーツ : 日刊スポーツ&錦織圭を鼻血が出るまで応援し続けるブログ)
開始日 大会名 開催地 カテゴリ サーフェス ’15結果
1/4 ブリスベン国際 ブリスベン 250 ハード SF
1/18 全豪OP メルボルン GS ハード QF
2/22 メキシコOP アカプルコ 500 ハード 準優勝
3/4 デ杯WG 1回戦 イギリス国内 デ杯 未定 2勝
3/10 BNPパリバOP インディアンウェルズ 1000 ハード 4R
3/24 マイアミOP マイアミ 1000 ハード QF
4/18 バルセロナOP バルセロナ 500 クレー 優勝
5/2 マドリードOP マドリード 1000 クレー SF
5/9 イタリア国際 ローマ 1000 クレー QF
5/23 全仏 パリ GS クレー QF
6/13 ゲイリーウェバーOP ハレ 500 芝 SF
6/27 ウィンブルドン ロンドン GS 芝 2R棄権
7/15 デ杯WG QF 未定 デ杯 未定
7/25 ロジャースカップ トロント 1000 ハード SF
8/6 リオオリンピック リオデジャネイロ ハード
8/15 ウェスタン&サザンOP シンシナティ 1000 ハード 欠場
8/29 全米OP ニューヨーク GS ハード 1R
9/16 デ杯WG SF or PO 未定 デ杯 未定
10/3 楽天OP 東京 500 ハード SF
10/10 上海マスターズ 上海 1000 ハード 3R
10/24 スイス室内 バーゼル 500 インドアハード 欠場
10/31 パリマスターズ パリ 1000 インドアハード 3R棄権
11/14 ATPツアーファイナル ロンドン ファイナル インドアハード 開催中
錦織圭―リターンゲーム
11月11日発売の内田暁さんの「錦織圭―リターンゲーム」を読み終わりました.
錦織圭のすべてが詰まったような,すばらしい本でした.
思えば,自分が初めて「錦織圭」の名前を聞いたのはテニスを始めてすぐの中学生の頃で,テニス部の同期が
「俺たちと同い年で,日本に敵がいなくなったから一人で海外に行った錦織ってのがいるんやで!」
と語っているのを聞いた時です.
その時はテニスのことなんて何も知らない時期だったのでふーんというくらいでした.
自分の中で大きく胸に響いたのは大学受験のために図書館で勉強をしていて,お昼ご飯をココイチで食べていた時に,新聞でデルレイビーチ優勝の記事を読んだ時です(笑)
同い年の少年が,世界12位を倒してテニスの世界大会で優勝した.
この事実がとても衝撃的でした.
それからの怪我での離脱や復帰戦(ベンジャミンベッカー戦は興奮してみた記憶が(笑)),ライアンスウィーティングとの連戦(なぜかこれは記憶に残ってる),ティプサレビッチにカモにされまくった2011年(笑),デルポトロに負け続けた2012年,そして全豪オープンベスト8に,全米準優勝,マレーシアオープン楽天オープンでの連続優勝,ツアーファイナルでのベスト4・・・
あーこの試合は王座を見に行った帰りに速報見てたなーとか,この試合は見れなかったなーとか,そんなことをひたすら思い出しながら読むことが出来ました.
今年は去年のような華やかな戦績を残すことは出来ていませんが,1年を通して安定した成績を残し,2年連続でツアーファイナルに出場できるのは本当にすごいことです.
そんな錦織のワールドツアーファイナルの初戦の相手は,世界No. 1のNovak Djokovic\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
NHKで15日(日)夜23時から生放送らしいので,ぜひ応援しましょうヽ(^。^)ノ
www.atpworldtour.com
批判を恐れない精神
東大の同期の論文がFrontiers in Computational Neuroscienceにのったみたいです.
素晴らしいです.
負けてられません.
さて,自分の進捗はというと,現在投稿準備中の論文のintroを書き直す日々がひたすら続いている状態です.
どうも自分は他人に批判されるのを極端に嫌うようです.小さなころから八方美人,先生の前では猫かぶり(笑)
だから論文のintroも当たり障りのない主張になってしまう.それじゃあメッセージのない面白くない論文の出来上がりです.
(ただ,昔から批判されるのが嫌だから頑張るというプラスの一面もありました.良し悪しは知らん).
研究室内でそんな研究やめちまえ!というようなことを一回でも言われるとすぐに自分の研究に自信が無くなってしまいます.
でも今日ボスには「100人が100人納得する論理にはならなくていい」というようなことを言われました(そもそも100人に読んでもらえればそれだけでhappyな気もするけど(笑)).ScienceやNatureやらにのる論文ですら多くの人から批判などを受けるだということもあらためて認識しました.
確かに,自分の研究に自分が自信を持てなければ誰が自信を持つんやと.
自分の出したデータを自分が信じてやらなくてどうするんやと(笑)
「批判を恐れずに大胆に踏み込んで,論理的に考え自分の主張を明言する.」
今までの人生で避けて生きてきた部分がついに避けられなくなりそうです.
とりあえずノートには「批判を恐れるな!」と赤で書いておきました.
ヒカルの碁でも,ヒカルが院生の2組でくすぶってた頃(7巻)に,
「ヒカルは恐れているのです。
盤上で、あなたに斬りこむ私の一手を―――
以前は、闇雲に向かって来たあなただったのに、
恐らく私の一手一手が、
切り裂く刃の切っ先が、少しずつ見える様になってきたのでしょう。
それ故、恐れるようになってしまった―――。
ならば、すべきことははっきりしています。
相手の刃を見極めて、ぎりぎりまで踏み込むのです。
そう。塔矢はいつもそうでした。
塔矢のように,恐れを勇気に代えて―」
という佐為の言葉があります.
自分も,神経科学の世界の入り口が見え始めて,その奥深さが少しずつ見えるようになってきているのだろうと思います.
恐れを勇気に代えて,相手の刀を見極め,ぎりぎりまで踏み込めるように頑張ります!!
Functional connectome fingerprinting
ヒトの脳領域間の活動の同期具合(機能的結合: functional connectivity)のパターンで,個人を予測できるとのこと.
fingerprintっていうのは指紋のこと.
これでNature neuroscienceのるのか・・・(´・ω・`)
使ってる方法がものすごく単純なのがええんかもしれんなー
単なる相関て(笑)
同じデータ使ってる身からすると,そら出来るやろ!っていう感じなんやけど,何がハイインパクトになるかわからないものですね.こういうところが頭が固いんやろな.もっと柔軟で自由な考え方を心掛けないといけない.
あと,実験や解析をやったらちゃんと論文を書く!っていうのが大切なのだと痛感いたします.
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrent/full/nn.4135.html