自信がなくなって落ち込むとき

大事な試験に落ちたとき、大事な試合に負けたとき、なんだか色々うまくいかないとき(笑)

 
そんなときは自信がなくなってしまいます
 
そして、その後自信を上げるためにやってしまいがちなのは、人と比較することです
 
あの人にはこの部分で自分の方が優れてる!とか。そうすることで確かに一時的に自信は回復しますが、比較することにはデメリットもあります。
例えば、「あれ?あの人より自分の方が優れているはずなのに、どうしてあの人は自分より楽しそうだしうまくいっているように見えるのだろう?やっぱり自分はダメなんだ」というように、また落ち込みます。
 
なぜそうなるのか?
それは、人と比較する場合、中身だけでなく結果なども合わせて比較してしまうからだと思います。
そもそも落ち込んでいる理由が自分の中身ではなく結果(色々うまくいかない)なので、その結果が相手よりも優れているということは少ないでしょう。
 
じゃあどうすればいいのか。

よく言われるのは、「見えるところだけ見ているからだよ。あの人だって裏では様々な努力してたり苦悩を抱えているんだよ。目に見えるものばかりで比較してはいけない」ということ。これは真実だとは思うんですけど、見えないものを考えろ、みんな平等なんだと言われても、ネガティヴなときには受け入れられません(笑)
 
相対的ではなく絶対的に自分を認めてあげることが必要!ナンバーワンじゃなくてもオンリーワンでいいじゃない。とも言われますが、どうしたらええねん!っていつも思います(笑)
オンリーワンになるための手っ取り早い方法が何かでナンバーワンになることなんじゃないのかってずっと思ってました。
だからあの歌を素直に受け入れられませんでした(笑)
 
 
色々解決策を考えているうちに思ったのは、ただ疲れていることが問題なのかな、と。
大事な試験の前、大切な試合の前、落ち込む前にはそれなりに頑張っていたからこそ、結果が悪くて落ち込んだんだと思います。
疲れているときにまた頑張ろうとしても、やっぱりうまくいかないことが多いんじゃないですかね。
 
なので、落ち込んだら、とりあえず落ち込む!動かない!美味しいものを食べる。
なんでもいいので時間を潰しましょう。時間が解決してくれることは意外と多いです。
 
ジョコビッチも錦織を相手にするときは、嵐が過ぎ去るのを待つことが大切と言っています。
錦織がジョコビッチに勝った試合では、錦織が絶好調の場面でジョコビッチのメンタルが崩されていましたが、最近は違います。錦織が絶好調のときには心を無にしてジョコビッチは錦織の隙を伺い続けています。嵐が来ているときに対抗しようとすると、敵わずに自信を失います。
現状を受け入れてじっと待つ。
積極的に何もしない。
 
何かを向上させようとするときに、人は何かをしてしまいがちで、こういう積極的に何もしないということは意外と難しいです
 
でもこれが重要なんじゃないかと思います.
 
自信が無くなって落ち込んだ時には,積極的に何もしない(笑)
 

部活に入るかサークルに入るか

この時期はこれに迷う人も多いんじゃないでしょうか。

自分は中高6年間のテニス部生活も勉強も自分なりに努力し続けていた(気になっていた)ので、合格が決まったときは大学に入ったらテニスはサークルで続けて彼女も作ってワイワイ楽しくキャンパスライフを送ろうと考えていました。
別にプロになるわけでもないし、大学の体育会というと地獄のような環境を想像していたので(笑)

でもそのキャンパスライフを想像したときに、全くと言っていいほど心はときめきませんでした。
なぜなのかは自分ではよくわからないのですが、結局入学してから1番に足を運んだのは体育会のテニス部でした。
真っ先に考えたのは、自分がこのテニス部の中でどのくらいの位置にいるのだろうかということ。想像以上に自分より強い人がいっぱいいました(笑)

自分より上手い人がたくさんいる。
自分よりも努力している人がたくさんいる。
このテニス部に入れば自分をもっと高めることができるんじゃないか、そんなことを考えていたような気がします。
結局その時の決断は間違ってなかったと思っています。

決断に迷った場合、
自分の未来を想像してワクワクするかどうか、そして自分を高めることができるかどうか。
この2つがとても大切だったような気がします。

自分も今いろいろと決断をしなければいけないことが多くなってきて、初心に帰ろうと思いました。

京都大学 平成28年度学部・大学院入学式 式辞 (2016年4月7日)

平成28年度学部入学式 式辞 (2016年4月7日) — 京都大学

 

総長,本当に好いこと言う.


小学校からいつもいつも校長先生たちがいろんな話をしてくれてたけど,真面目に聞いてなかったのが本当にもったいなかったなと思います.
自分が入学したときに何を言われたかとか全然覚えてないけど,ここ2年の話はとりあえず記録に留めてあります(笑)


特にWINDOW構想の
「OはOriginal and Optimistic。これまでの常識を塗り替えるような発想は、実は多くの人の考えや体験を吸収した上に生まれます。そのためにはまず、素晴らしいと感動した人の行為や言葉をよく理解し、仲間とそれを共有し話し合いながら、思考を深めていく過程が必要です。また、失敗や批判に対してもっと楽観的になり、それを糧にして異色な考えを取り入れて成功に導くような能力を涵養しなければなりません。」
の部分が好きです.

 

平成28年度大学院入学式 式辞 (2016年4月7日) — 京都大学

「ここで重要なことは、データに語らせることです。そして、それを分析して得た自分の考えを仲間に語り、その真価を繰り返し確かめることです。しかし、データに語らせることは決してたやすいことではありません。そもそも、データの取り方が間違っていれば、採取したデータは自分が立てた問いに正しく答えてはくれません。まず、自分が一体何を知りたいのかを十分に吟味し、問いを立てることが必要ですし、その問いに合った方法論を選ぶことが重要となります。」

 

本当にこれは大事.

でもこれほど「言うは易し行うは難し」なことってないんじゃないかと思うくらい難しいです.面白いです.

総長のゴリラ研究の体験談とか本当に感動します.

頑張ります.

卓越研究員事業について

【卓越研究員事業について】
国がお金を出すので,企業や大学が卓越研究員を雇えるポスト(基本的に無期限雇用か,テニュア)を用意.
申請者は,今後10年間で取り組みたい研究について研究計画を立てて,申請書を書く.そして,公募されているポストの中からいくつかを選ぶ.
雇う側と雇われる側の希望が一致した場合に,雇用関係が結ばれる.

基本的には若手研究者の不安定な雇用対策なので,じっくり腰を据えた研究が出来るようになりそう・・・
平成28年度の4月~5月に基本的に博士学位取得者が応募できて,150名程度が採用予定のようです.
公募されているポストを見てみたら,企業系はやはりビッグデータとか機械学習とか出来る人材を欲しているみたい.

今年の動向を見たうえで来年には視野に入れて考えないとな.
なんにしても選択肢が増えるのは良いこと.

卓越研究員事業(Leading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER) ):文部科学省

囲碁の次は??

イセドル対アルファ碁のNatureのまとめ記事です.

www.nature.com

 

この記事ではすでにDeep Mind社が,囲碁の次は何をするかということに焦点を当てています.

完全情報ゲームで最も複雑な囲碁がAIによって解かれてしまった今,この記事で次に来るものとして3点あげています.

 

①不完全情報ゲーム(例:複数人でのポーカー)

相手の手札が何かわからないので不完全情報ゲームという.

不完全情報ゲームでもちょっと前にScienceでポーカーの必勝法がわかったという論文も出ましたが,まだ複数人でのポーカーなどのような複雑な不完全情報ゲームになると困難なようです(ここらへんはよくわからん)

今後はスタークラフトというSF strategy game??というゲームに取り組むようです.

 

②General AI

今は,囲碁なら囲碁のAI,将棋なら将棋のAIとExpert AIしかありません.

Alpha碁は将棋を打つことが出来ませんから(笑)

なので,AIはヒトからはまだまだ遠い存在であると言わざるをえません.

Expertをたくさん集めて切り替えるという方法以外に,今後は人間のような色々出来るAIが次の目標のようです.

 

③臨床応用

最後は,ゲームから離れ現実世界の問題についてです.

例えば,診断やtreatment planの作成などをAIでやるというものです.

これには今回のAlpha碁で行われたような自分自身と何百万局も対決してデータを死ぬほど集めるということが出来ないという課題があります.

また,診断やtreatment planを良い,悪いと決めることがとても困難であるという問題もあります.

 

また,Deep Mind社のDemis HassabisさんはスマートフォンにDeep Mindのアルゴリズムを組み込み,個人のリクエストに深くこたえられるような装置を作っていこうとしているようです.これは実現するとすごく面白そうですね!Googleらしいし(笑)

 

Deep Mind社以外のAIとしては,Geometric Intelligenceという会社が作るAIも面白そうです.この会社はGary Marcusという神経科学者が始めた会社のようで,ヒトの子供の学び方を参考に,より少ないデータサンプルから学習できるAIを作成しているようです.これもすごく面白そう!やっぱりスパース性が大事なのかな?ちょっと調べてみよう.

 

最後に,Alpha碁はイセドルよりもものすごく多くの対局を行い学習しています.

それでもイセドルは第4戦で1勝することが出来ました.

この1勝は,イセドルが3連敗した碁を寝る時間も惜しんで「復碁」(あの一手がどうだったというように復習すること)し,たった3局からAlpha碁のことについて学習した成果だと思います.

このように現在のAIはとても多くのサンプルを使用しないと学習できませんが,人間はたったの3敗から多くのことを学べます.

さらに言えば,ヒトはたった1つの敗戦からでもとても多くのことを学ぶことが出来ると思っています.

この能力を実現しているのは「意識」であるとかいう話もあるようです・・・

こんな感じでAIからヒトの神経メカニズムについて考えることが出来るのも面白いなと思いました.

Brain doping

Natureにこんな記事が・・・

www.nature.com

 

tDCSを使って,パフォーマンスを向上させる研究についての話です.

ここではスキージャンパーにtDCS(脳に電気を流す装置)をmotor cortexに打つと,ジャンプ力が70%,筋肉の協調性?が80%向上する研究を紹介しています.

また,tDCSをmotor cortexまたはtemporal cortexに打つことで知覚疲労が軽減し,一般人においてペダル漕ぎをShamでtDCSを打った被験者に比べて2分長く漕げるようになるようです.

このようなtDCSを使った能力向上は,薬のドーピングと違って使用しているかどうかがわからないので,"Brain doping"としてオリンピックでは気を付けて対策をしたほうが良さそうだとのことです.

 

ただ,やはりtDCSの効果は再現性に乏しく,効く人もいれば効かない人もいるし,効く日があれば効かない日もあるし,効果が逆に出ることなどもあるようで,まだまだ科学的に何が起こっているのかがわからないところがあるというのが現状の様です.

イセドルがアルファ碁に勝つ(第4戦)

世紀の勝負の第4戦.

イセドルが中押し勝ちしました!!!

研究室で少し涙が出そうになりました・・・

 

3連敗して,これは遥かな高みから人間を見下ろしているのでは・・・と思い始めましたが,人類の意地を見せてくれました.

対局後も夜通し「復碁」を行い(対局を振り返り復習すること),最善の一手を追求したようです.

3連勝したからアルファ碁の性能を下げたのか?と少し懐疑的に見てしまいましたが,一応会見でアルファ碁の作成者が否定していました.

今回の対戦ではdistributed版(パソコンをいっぱい並列にくっつけて演算処理する)のアルファ碁を使用しているようです.

stand alone版(一個のパソコンで演算処理する)もあるのですが,今回は使用しないようです.もちろんdistributed版のほうが強いからです.

 

また,会見でイセドルはアルファ碁の弱点を発見したとして,

①黒を持つ時のほうが弱い.

②妙手に対しての対応がよくないときがありバグみたいに感じた.

の2点を挙げていた.

この2点目に関して,今回のアルファ碁はエキスパートシステムのような専門的な知識(例えば,将棋では飛車角の価値が高いとかいう知識)を入れておらず,今回のDeep neural networkが様々なことに応用が可能だということが重要なのですが,記者の方から今日の対戦のようなバグが発生するというのは医療などに応用した場合に問題ではないか?という質問がありました.

これに対して,作成者は「アルファ碁はプロトタイプであり(アルファというのはβタイプとかを意識してなのか??と少し思った),バグがあるのはしょうがない.今回の対戦はそのようなアルファ碁の弱点を探すためのものである.さらに,今回は囲碁に特化した仕様である.医療応用の場合は,それ相応の対応をするので問題ない.」と回答していた.

 

今後はDNNが世界の様々な応用面に登場することは間違いなさそうである.

ただ,マシンパワーがめちゃくちゃ必要な問題を解決しないとなー・・・

 

さて,今日は第5戦!!

今日の対戦はアルファ碁が白を持った時のほうが強いということで,イセドルの希望でイセドルが黒,アルファ碁が白の対戦です!

黒白両方で勝てれば,これはもうイセドルの勝ちだと言っても過言ではありません.

そう考えると本当に人間は対応力がすごいのだなと思います.

今後の機械に必要なことは,1戦の負けから多くを学ぶということかもしれません.

機械は何千何百という失敗を重ねて初めて学ぶことが出来ますが,人間はたった1戦の負けから本当に多くのことを学ぶことが出来るような気がします.