囲碁の次は??
イセドル対アルファ碁のNatureのまとめ記事です.
この記事ではすでにDeep Mind社が,囲碁の次は何をするかということに焦点を当てています.
完全情報ゲームで最も複雑な囲碁がAIによって解かれてしまった今,この記事で次に来るものとして3点あげています.
①不完全情報ゲーム(例:複数人でのポーカー)
相手の手札が何かわからないので不完全情報ゲームという.
不完全情報ゲームでもちょっと前にScienceでポーカーの必勝法がわかったという論文も出ましたが,まだ複数人でのポーカーなどのような複雑な不完全情報ゲームになると困難なようです(ここらへんはよくわからん)
今後はスタークラフトというSF strategy game??というゲームに取り組むようです.
②General AI
今は,囲碁なら囲碁のAI,将棋なら将棋のAIとExpert AIしかありません.
Alpha碁は将棋を打つことが出来ませんから(笑)
なので,AIはヒトからはまだまだ遠い存在であると言わざるをえません.
Expertをたくさん集めて切り替えるという方法以外に,今後は人間のような色々出来るAIが次の目標のようです.
③臨床応用
最後は,ゲームから離れ現実世界の問題についてです.
例えば,診断やtreatment planの作成などをAIでやるというものです.
これには今回のAlpha碁で行われたような自分自身と何百万局も対決してデータを死ぬほど集めるということが出来ないという課題があります.
また,診断やtreatment planを良い,悪いと決めることがとても困難であるという問題もあります.
また,Deep Mind社のDemis HassabisさんはスマートフォンにDeep Mindのアルゴリズムを組み込み,個人のリクエストに深くこたえられるような装置を作っていこうとしているようです.これは実現するとすごく面白そうですね!Googleらしいし(笑)
Deep Mind社以外のAIとしては,Geometric Intelligenceという会社が作るAIも面白そうです.この会社はGary Marcusという神経科学者が始めた会社のようで,ヒトの子供の学び方を参考に,より少ないデータサンプルから学習できるAIを作成しているようです.これもすごく面白そう!やっぱりスパース性が大事なのかな?ちょっと調べてみよう.
最後に,Alpha碁はイセドルよりもものすごく多くの対局を行い学習しています.
それでもイセドルは第4戦で1勝することが出来ました.
この1勝は,イセドルが3連敗した碁を寝る時間も惜しんで「復碁」(あの一手がどうだったというように復習すること)し,たった3局からAlpha碁のことについて学習した成果だと思います.
このように現在のAIはとても多くのサンプルを使用しないと学習できませんが,人間はたったの3敗から多くのことを学べます.
さらに言えば,ヒトはたった1つの敗戦からでもとても多くのことを学ぶことが出来ると思っています.
この能力を実現しているのは「意識」であるとかいう話もあるようです・・・
こんな感じでAIからヒトの神経メカニズムについて考えることが出来るのも面白いなと思いました.